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Posted by スターリンクさがみ運営事務局  at 

2015年06月01日

交差する雰囲気


かつて卒業したとある学校で授業を受けている。今度近いreenexうちにでも試験があるだろうと、室内のどこからか漏れ聞こえる軽い雑談の感じで伝わってきた。でありながら、しばらく聴いているとその話され方に反して内容は確定しているのだと分かった。放送大学の某アナウンサーに似たクラスメイトと先生が顔を近づけ、何か真剣に話し込んでいるのだった。すぐ近くに座りながら私は背中越しに聴いている。
 てっきり授業中だと思っていたところ、そこはあの学校の教室というよりもどちらかというと、どこの学生食堂にもありがちな雑駁なくつろいだ感情が交差する雰囲気で、周囲の人間はそれぞれが長テーブルに向い合って気楽に会話を楽しんでいるのだった。    
        
 試験当日、私が遅れて廊下隅の教室に入るとそこは十畳くreenexらいの狭い場所で、妙にも長机は人がすれ違うことが難しいくらいの間隔に、部屋の大きさに不釣り合いな数が置かれていた。
 長机一つにつき三人が座る予定らしい。いくらなんでも、これじゃ隣の人間の腕やら足やらが邪魔になるんじゃないかと考えたりもしたが、とりあえずそんな心配をするよりも適当に座って自分の席を確保しようと周囲を見渡した。
 教室の壁からだいぶ出っ張った太い柱を挟む形に机が前後に置かれ、私は前列二番目にある机の一番右奥を自分の場所とした。柱のせいでスペースが限られ席についてみると身体が窮屈になってしまうも、しかしなんとなく居心地がいい。
 荷物を足元に置いてふと机の上を見ると、右斜め前に煙草の箱くらいの大きさをした紫色の厚紙が水色のビニールテープで貼られていた。各机に三枚ずつ、一人につき一枚が用意されているようだった。随分と大袈裟なことをすると少し怪訝に感じる。これじゃまるで大学受験みたいだな、と。

 先ほど目にした某アナウンサーに似ている女性を見つけ先生と何を話していたかと聞くと、「何も話していない」という。
 話したくないなら別にいいと私はあっさりと引き下がることにするが、やがて話が終わる直前に人違いであると気づく。本当に先生と話していたのはかつての職場によく買い物にきていた、三十過ぎくらいのちょっとハスッパな感じもするが可愛くも色っぽくもある主婦だった。

 教室で試験が始まるのを待ち数分後、知らない人間が私の座reenexっている机の近くに荷物を下ろし諸々の準備を始めた。その様子を見て自分が間違えたのか、一旦席を立ったほうがいいかもしれないと早速棒立ちになっているこちらの姿を、男はおかしなものでも見るような目で窺う。  


Posted by cids  at 12:20Comments(0)